生命保険会社の決算業務(米国会計基準)早期化支援

  • 支援対象:大手外資系生命保険会社様
  • 支援期間:約12カ月

保険会社の決済業務の期間を早期化するための業務効率化を支援しました。「決算業務の期間を短縮する」ことにより、会社の状況がより迅速に把握できるため、お客様、株主、社会からの信頼が高まることになります。同時に、決算業務の作業期間を短縮することによって生まれた時間は、考える時間を生み、さらなる効率化へと繋がります。

決算期間の異なる日米で生じる「遅れ」をなくすプロジェクト

某大手外資系生命保険会社様では、四半期毎に日本向けと米国向けに異なる基準で決算報告資料を作成しています。決算報告といっても、日本と米国では目的や特徴が下記のように異なっています。

日本の会計基準 米国の会計基準
基準日 3月末 12月末
目的 日本の法定決算のために報告 米国に上場会社を構える金融サービス機関の関連会社であり、連結決算のために報告
特徴 会社の健全性を判断することを重視 投資家にタイムリーな経営成績を開示することを重視

決算基準から報告までの期間が異なる

日本向けと米国向けでは、決算基準から報告までの期間に違いがあります。
即時性が求められる米国向けでは、決算の基準日から監督庁に報告するまでの期間が日本向けよりもかなり短いのです。

実は、米国向けの決算報告資料は、報告までの期間が短いため、決算基準の1ヶ月前の保有情報で作成しているのです。つまり1ヶ月の「遅れ」がある状態となります。

この1ヶ月の「遅れ」を解消する事が、本プロジェクトの目的となります。
今まで1ヶ月遅れだった決済基準の遅れを解消する事になた背景には、米国に本社を構える関連会社が、米国で「金融システム全体にとって重要な金融機関」に指定され、米国の監督庁から遅れを指摘される可能性が高くなったためです。

決算資料作成期間の短縮する業務効率化

本プロジェクトは、クライアント先に常駐しての業務効率化支援になります。そのため、クライアントとコミュニケーションを取りながら、細かいやり取りができるのが特徴です。
基本的には、クライアントと一丸となってゴールを目指していきます。クライアントは、業務のスペシャリストなので、あるべき姿をある程度持っています。我々コンサルタントは、どのようにあるべき姿を実現するかというところを求められます。

業務プロセスを全てシステムに組み込んで、自動化ではできない

本プロジェクトで言えば、最終的に求められているゴールは、決算報告資料作成にかかる時間を短縮するというものですが、ただ時間を短縮すればいいというものではありません。決算報告書というアウトプットに至るまでには、必ず業務プロセスが存在します。
「業務プロセスを全てシステムに組み込んで、自動化しましょう!」といった提案は受け入れては、もらえません。また、業務を全てシステムに組み込むとプロセスが見えなくなり、ブラックボックス化する傾向にあります。ブラックボックス化は、あまり好まれません。
全ての業務をシステム化しない要因は、いくつかありますが、例を挙げるとすると、各業務担当者の教育という観点があります。将来的に業務担当者が業務プロセスを理解して実施していなければ、今後の改善が望めなくなるといった懸念があります。全ての業務をシステム化するという提案は、長い目で見た時にクライアント企業様にとって、マイナスの提案になっているのです。

最適な提案をするためには、各業務プロセスが何を目的として存在するのか、現行プロセスが実施されている背景を把握する事はもちろんの事、クライアント企業様のビジョンについても把握する事がベストだと考えます。

決算資料作成期間の短縮する業務効率化のプロセス

本プロジェクトでは、「課題の把握」→「関連業務の理解(目的・背景)」→「クライアントの意図の理解」→「現状調査」→「実現方法提案」→「改善施策実行」という流れで実施しました。

流れの中で、新たな課題の検出や実は対応不要であるといったケースもあり、目的・背景の理解やクライアントの意図を汲むことが、最適な提案には必要な要素です。
実際に本プロジェクトでは、クライアントとコミュニケーションを取り、お互いに考えを共有しながら、納得しながら進める事ができた事が、スムーズに改善を進められた要因となりました。

決算資料作成期間の短縮する業務効率化の改善効果

本プロジェクトにおいて、下記のような改善施策から決算早期化に貢献しました。

改善施策 効果
複雑なパラメータ設定の定型化および自動化 ミスの削減、設定時間の短縮
システム化によるプロセス削減 工数の削減
ブラックボックス化していた処理を見える化 あるべき形への改善が実現
業務移管におけるパイロットを担当し、業務移管における障害を削減
現行分析(プログラム解析)とあるべき姿の定義を実施し、システム化要件定義を作成 検証用データの出力をシステム化することによりデータチェックを効率化
ツール(VBA)の改善を実施し、処理時間を大幅に削減 最大7時間短縮
複数のツールを夜間に自動実行させるツール(VBA)を作成 夜間の時間を利用することによりツール実行の待ち時間を削減[最大10時間]
類似業務を複数システムで行っていたものを1本化する際のサポート 業務担当者の負荷軽減 および メンテナンス費用の削減

最後に本プロジェクトでは、想定期間より早く改善が進み、業務改善に貢献できた事を実感できたプロジェクトとなりました。